<備えよ!首都水害>記録的な雨が降った昨年の台風19号で、ゼロメートル地帯はなぜ大規模水害を免れたのか?

 

台風シーズンにどう備えるべきか。松尾一郎東大大学院客員教授に聞いた。

 

ー大きな被害をもたらす台風が相次いでいる。

 

地球温暖化で海面水温が高まると局所的な豪雨が頻発し、台風も大型化しやすくなる。関東地方にも雨風の強い台風がやってくる。2020年も水温は高い。

 

ー台風19号について。

 

荒川などは大変な事態になる一歩手前だった。第一調整池や岩淵水門などハードが活躍したから持ちこたえただけだ。あの時、東京湾が干潮ではなく、満潮だったら荒川は下流でもあふれていたはずだ。結果オーライだったにすぎない。

 

ー水害への向き合い方は。

 

大きな水害の経験がないから今後も起きないと過信するのは危険だ。行政は河川の氾濫によってどんな被害が起きるか、避難方法も含めて情報を事前にきちんと伝えておくことが重要だ。


台風は新型コロナの終息を待ってはくれない。国土交通省は荒川の掘削を急ぐべきではないだろうか。東京を二つの災害から守るために、東京都は備えなくてはならない。