はじめに
私たち、都民政策会議が立ち上がりの記者会見を開いたのは、今年2020年1月29日でした。
当時は中国武漢で新型コロナウィルス感染が問題になっていましたが、国内においてはダイヤモンドプリンセス号がまだ横浜に寄港する前のことで、危惧はしていても、今日の状況とは全く違う状況でした。
当時は、オリンピックと国政の影に隠れている都知事選挙を都民の手に取り戻すために、各地域会議を開き、都政に反映させたい政策としてまとめ、それらの都民政策を都民と共に実現する候補者を見つけ、都知事選挙を闘おうとの計画でした。
しかし、直後からの新型コロナウィルスのクルーズ船内感染拡大、市中感染拡大と事態は一転しました。
2月25日の安倍首相による突然の全国小・中学校の休校要請、3月24日にはオリンピックの延期が決り、小池都知事は翌3月25日に緊急記者会見を開き「感染爆発重大局面、三密を避けると共に週末の不要不急の外出は避けて欲しい」と訴えました。
4月7日、安倍首相から5月6日までを目途にして緊急事態宣言が出され、外出自粛要請が法に基づき強化されました。
そして、5月1日、緊急事態宣言は1ヶ月延長の決定がなされました。5月1日現在の東京都における新型コロナウイルスの検査陽性者数は累計で4317名、死亡は126名です。連日、小池都知事は記者会見を開き「ステイホーム」を訴えています。テレビ、新聞、メディアもコロナウィルスパンデミック報道一色です。
国は10万円給付を決めましたが、布マスク2枚配布にせよ、コロナウィルスの検査体制にせよそのどれもが不充分で、ひたすら「外出自粛」だけを強く打ち出す中で、その余波は特に、生活困窮者や派遣労働などの不安定労働に携わっている人たちや、介助を必要とする高齢者や障がい者、そして子ども、DV被害者、地域の小売業の人たちなど 社会的に弱いところに置かれた人たちに深刻な影響を及ぼしはじめています。
今、新型肺炎コロナウイルスパンデミックから起きてきている様々な問題は対処療法では乗り越えられないと考えます。これまでのバブル破裂後の経済財政政策や福祉、保健、医療の公的政策のツケが今回の新型肺炎コロナウイルス感染拡大防止と市民の安全安心な暮しの保障に回っていると考えます。
新型コロナウイルスの前後で社会のありかたは変わらざるを得ないと言われています。
私たち、2020都民政策会議は、あらためて7月5日の都知事選挙が、今度は新型コロナウイルス感染問題の中で流されることがないよう、コロナウィルスパンデミックの前からの政策を見直し、コロナウィルスパンデミック後の持続可能な人に寄りそう都政につながる具体的な政策提案を行いたいと思います。
7月5日に予定されている都知事選挙の時に、新型コロナウイルス感染問題はどのような状況にあるか、現時点ではわかりません。しかし、第2波、第3波と2年間ほどのスパンでとらえていく問題との見解が示されています。
パンデミックの脅威が続く中で集団ストレスは監視社会と不寛容さと暴力と差別という負の閉塞的社会を生み出しやすくなり大変危険です。
コロナウィルスパンデミックで都知事選挙どころではないとの声もあります。
しかし、私たちの安全で安心できる未来は、税金の使い途を決定する政治抜きには拓けません。
コロナウィルスとの戦争とまで称される世界規模の大災害に生き残るためには、グローバルで成長・発展をめざした時代は終わりました。これからはローカルで自給自足型の持続可能な助け合いのスローな都市づくりに転換することが人類の叡知として求められていると考えます。そのことを、都知事選挙の争点にできるよう、私たちは政策提案をしていきたいと思います。以上
2020都民政策会議事務局一同
コロナ対策について、国は多くの誤りを犯しました。小池都知事もまた国と共同歩調を取ることによって、同じように過ちを犯しています。オリンピックの実現を優先して検査を怠り、オリンピックの延期が発表された翌日に、逆に、感染爆発の恐れがあるとして都民の危機感をあおり、補償もないまま自粛要請へと突き進みました。その日までは何の対策もしませんでした。
その後、選挙の事前運動としか言いようがない3密キャンペーンをおこなった。最大100万円の休業補償やネットカフェ難民の居場所確保などいくつか打ち出した施策は、実施段階でさまざまにブレーキがかかり、小池都知事の指導力のなさが浮き彫りになった。
新型コロナウイルスは、これから夏季の小康状態を経て秋以降、第2波、第3波が襲来するものと予想されている。また、新たな感染症は今後も起こりうると想定される。
今やるべきことはその時に備えて万全の準備をすることですが、この間の小池都知事がしてきたことを冷静に検証すると、到底それができるとは思えません。
そこで、私たち2020都民政策会議は、新型コロナウイルスパンデミックとそれ以降の都民の暮らしを守るため、以下のような政策を提案します。
●検査体制の確立
・保健所の機能の拡充
・検査体制の確立、検査機関の設置(発熱外来、検査センターなど)
●医療体制の確立(都立・公社病院の独立行政病院化を白紙撤回)
・結果判明者の振り分け
(無症状者、軽症者の療養・生活場所の確保)
・中度・重度者の病床の確保
・機器・備品・用品の確保
・人材の確保
●コロナウイルス感染症受け入れ病院に対する経済的支援や税制措置を行う
(補足説明)
現在は、本来指定されていた感染症指定病院以外もコロナウイルス感染症患者を受け入れています。コロナ感染症医療は、取り組めば取り組むだけ、病院の経営が悪化します。そこで、コロナウイルス感染症受け入れ病院が倒産の危機を回避できるような経済的支援や税制措置が緊急に必要です。
●現在流行している新型コロナウィルス感染のように感染症が流行った場合、また、災害時や事故が起きた場合、速やかに対応できる緊急時医療対策チームを設置する。
●感染爆発に備えてゆとりをもった医療体制を現場の声を聞きながら構築する。
(補足説明)
東京都をはじめとして、日本の医療体制は、平常時でギリギリ需要を満たすように計画されています。そのため今回のような事態が起きれば、すぐにキャパオーバーになります。ギリギリのところで何とか需要を満たす計画を改め、ゆとりを持った制度設計にするべきです。グローバル化した世界では、今後も定期的に国際的な新規感染症の感染爆発が起こることが予想されます。ゆとりを持った体制を構築していく必要があります。
●感染者、療養者の生活保障
・療養期間中の生活保障
●自粛や休業の要請への協力者に対する家賃および収入補償
●都立・公社病院の独立行政法人化はやめて、都立病院の病床数を増やし、拡充整備する。
(補足説明)
今後数年は続く可能性があるコロナ感染症に対応する医療体制を構築する必要があります。都立病院の拡充ばかりでなく、都立病院から公社病院へと経営形態が変更された公社病院を都立病院へと再編・拡充する必要があります。都立・公社病院をまとめて地方独立行政法人化は、この真逆の政策です。即刻都は都・公社病院の地方独立行政法人化を断念すべきです。
新型コロナウイルス対応でも、公的病院の役割の重要性が再認識されました。特に小児科や産婦人科、救急対応など、医師不足で民間では担いにくい分野で公的病院が果たす役割は大きいものです。都立病院は独立行政法人化せず、都民の生命と健康を守る役割を直接担うことを求めます。
●医療従事者の処遇を改善する
(補足説明)
医療従事者の抜本的な処遇改善(賃金ばかりでなく配置数など)が必要です。さもなければ、医療従事者の大量退職による医療崩壊が起きかねません。
●国保料を引き下げ、均等割を廃止する。高齢者の医療費を無償化し、子どもの医療費の無償化の対象年齢を18歳までに引き上げる。
●コロナ禍で経営不振に陥った企業の支援を強化するとともに、非正規労働者の雇用を守る仕組みをつくる。
●都内の非正規労働者(派遣労働者、日雇労働者、パート・アルバイト)の実態調査を行い、その結果に基づき非正規労働者を守る仕組みをつくる。
●公契約条例の制定と非正規労働者の正規化。
●現業労働は東京都の正規職員とする。
●非正規労働者全員の雇用保険・健康保険加入を推進・実現する。
●若年労働者をはじめとする非正規労働者に対する職業教育・訓練の充実。
●東京都の最低賃金を時給1500円にする。
●ホームレスの人への住居保障政策の充実。
●低所得者の人の住居に対する家賃補助制度の充実。
●福島県からの原発被害の避難者に住宅支援を行う。
(補足説明)
福島県からの避難者には、2017年3月まで住宅が無償提供されていました。2017年4月以降は、避難指示区域外からの避難者には、2年間の経過措置として、国家公務員住宅の有料入居と民間賃貸住宅の家賃補助(所得が月21万4千円以下の人に対して、2017年度は月3万円、2018年度は月2万円を補助)がありましたが、それも2019年3月で打ち切りとなりました。公務員住宅に入居していた人は、公務員と同等の家賃を払っていましたが、2019年4月以降はそれまでの2倍の家賃を払うことになりました。困難を抱えているこれらの原発被害避難者に、東京都として独自の住宅支援を行うことが必要です。
●都営住宅を新設・増設する。
(補足説明)
空き家の活用や借上げ方式も含めた多様な暮らしを支える都営住宅の新設・増設が必要です。高齢社会に対応できるよう、デイケアやショートステイなどの介護施設や食堂も併設されている都営住宅や、生活困窮に陥っても安心して暮らせる都営住宅が求められます。男女、老若、既婚・独身を問わず、非正規労働者(世帯)のための都営住宅を廉価で提供することが必要です。
●都営住宅の老朽化による建て替えにおいて、住民の要望に沿ったコミュニティ単位での転居を行う。
(補足説明)
オリンピック開催に合わせた新国立競技場の建設に際し、景観があわないという理由で立ち退きが決定されたことにより、転居先の都営住宅はバラバラとなり、コミュニティが破壊された事例があります。
●被差別当事者が参画して、東京都の人権政策を強化する。
●パートナーシップ条例を制定する。
●ヘイトスピーチ禁止条例を見直し、外国籍を持つ人、外国にルーツを持つ人々への差別を禁止する実効的な政策を強化する。
● 朝鮮学校に東京都独自の補助金を復活する。
● 関東大震災朝鮮人虐殺追悼集会に都知事追悼文を送付するとともに、知事自身も出席する。
● 更生者支援を充実する。
(補足説明)
東京都地域生活定着支援センター(*)の予算規模の3倍化。障がい者・高齢者の司法更生施設退所後の支援強化とともに、裁判前の容疑者・被告の段階からの連携しての支援を行う。(*)高齢または障がいのために福祉的な支援を必要とする矯正施設退所予定者および退所者等に対して、入所中から退所後までの相談支援を実施し、社会復帰及び地域での生活への定着を支援する。
●高齢者が365日24時間安心して幸せに暮らせる包括的な仕組みをつくる。
●介護労働者の労働条件を改善する。
●東京都独自の家族や知人など無資格の人でも支援ができる有償のパーソナルサポート制度をつくる。
●「8050問題」への対策、支援を行う。
●認知症グループホーム、サービス付き高齢者住宅の家賃部分に所得に応じた補助を行う。
●DV被害者の広域連携による東京都独自の支援施策をつくる。
●東京都独自の包括的女性自立支援条例を作る。
●東京都の男女平等参画推進総合計画の理念に基き、女性労働者の就労機会、処遇の平等化を推進する。
●障がい者の地域自立生活を保障する、地域参加型のパーソナルサポート事業を確立する。
●障がい者が地域でずっと生活できるよう、ボランティアで解決するのではなく、介助者不足を解消する施策をつくる。また、自立生活に必要な費用の支給額を増やし、家賃補助は別枠で設ける。
●引きこもり地域支援センター、発達障害児者相談支援センター、依存症相談センターを区・市に設置、区部は4分の3、市部は5分の4の補助を行う。
●引きこもり地域支援センターを拡充し、不登校から引きこもりへ切れ目のない支援を行う。
●障害者が地域で当たり前に暮らせるためのアパートやグループホームなどの充実。
●精神障害者も、東京都障害者福祉手当の支給対象とする。
(補足説明)
1993年に障害者基本法が制定されるまで、精神障害者は障害者と規定されなかったため、精神障害者の福祉制度は、身体・知的障害者と較べて大きく遅れています。2006年に施行された障害者自立支援法で、三つに分かれていた精神・身体・知的障害者に対する福祉サービスが一本化されたにもかかわらず、心身障害者福祉手当の支給対象は、身体・知的障害者に限定されたままです。
心身障害者福祉手当は、障害の程度が重い方(身体障害1・2級、知的障害1~3度、脳性まひ、筋ジストロフィーの方)には都が毎月15,500円支給し、程度が軽い方(身体障害3・4級、知的障害4度、特殊疾病(難病)の方)には区や市が毎月7,750円支給しています。東京都精神保健福祉家族会連合会は東京都に対し、精神障害者への支給適用を求めていますが、実現していません。
小平市の精神障害者支援団体が、平成30年12月~平成31年1月に行った市内在住の精神障害者の生活状況アンケート調査によると、精神障害者(生活保護受給者を除く)の1か月の平均収入は70,184円で、1か月の収入が10万円以下の方の比率は54.5%です。1か月の収入が10万円以下で生活保護を受けている方の比率20%を合わせると、74.5%の方が収入10万円以下という状況です。これでは障害者の地域移行といっても家賃を負担しての一人暮らしは望むべくもありません。精神障害者にも東京都障害者福祉手当の支給を求めます。
●障がいの有無に関わりなく、子どもが共に学ぶことができるインクルーシブ教育の推進
(補足説明)
2006年12月の国連総会で採択された障害者の権利に関する条約第24条で示されたインクルーシブ教育は、子どもたち一人ひとりが多様であることを前提に、障害の有無にかかわりなく、誰もが望めば自分に合った配慮を受けながら、地域の通常学級で学べる教育を指します。日本においても、同条約の批准に向けて2011年8月に障害者基本法が改正され、「可能な限り障害者である児童及び生徒が障害者でない児童及び生徒と共に教育を受けられるよう配慮」(16条)することが示されました。
インクルーシブ教育の実現に向けて、自治体が主体となって行うべきことの1つが、多様な子どもが共に学ぶための基礎的な環境を整備することです。例えば、車いすに乗って通学する子どもが自力で移動できるように校内の設備を整えたり、支援の必要な子どもが困ることのないように支援員を配置するシステムを作ることなどが求められます。東京都でも、インクルーシブ教育推進に向けた方針を定め、実行することを求めます。
●荒川・多摩川の氾濫を防ぐため、国に対し早急な対応を求める。また、国の対策が迅速に行われないときは、都として両河川の浚渫を行う。
●コロナウィルスの感染拡大を教訓に、地震、洪水や感染症の複合災害を想定した緊急災害対策を進める。
●災害時に各自治体と東京都をホットラインで結び、迅速な支援体制を準備する。
●避難所及び備えを拡充させる。地震、風水害等、災害別の避難所の整備、コロナ禍などとの複合災害時も含め、学校以外の避難所を確保する。水、備蓄食料、発電機、テント、段ボールベットなども確保する。
●被災者支援を拡充する。
●災害時の避難所の整備・拡充、利用者の人権が守られる整備を行う。
●大型テントを導入し、女性、障がい者、子供のいる家庭のプライバシーや安全が保たれるよう配慮する。
●現在、地域によってばらつきがある避難所でのペットの受け入れ体制について、都として一定の基準を定める。
●災害時のペットの保護ガイドラインを作るとともに、ペット同伴避難を推進する。
●災害時に発生する災害ゴミの仮置き場を設定する。
●新しい都市計画道路の建設は凍結し、大規模災害対策に注力する。
●IR・カジノ誘致計画は中止する。
●新型コロナウィルスの終息には長期間が必要とされるため、東京オリンピックよりもコロナの対策や終息後の支援を充実させる。
●予算の一部を都民が提案し、都民が決める都民参加予算制度を導入する。
●都民の声が直接東京都政に反映できる仕組みを作る。
●ソーシャルファーム条例(都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例)の推進にあたっては、当事者参画のしくみをつくる。
●情報公開を徹底する。
●有識者会議、審議会委員の人選に当たっては、広く多様な 意見交換を必要とされる。結論ありきの審議では意味がない。
●児童の貧困対策として、こども食堂、学習支援を目的とした「集まり場」を創設するガイドラインの作成を行う。
●低所得家庭における子ども養育手当の充実。児童手当の加算。
●学校給食にオーガニック食材を利用し小中学校の給食を無償化する。
●子どもを虐待から守るため、子どもの目に直接触れるよう、給食の牛乳パックなどに「東京都いじめ相談ホットライン」窓口を提示する。
●コロナ禍からの学習権の回復のため、少人数学級を実現し、一人一人の子どもたちに対する教育支援の充実をはかる。
●学費の無償化。返済不要の奨学金制度の拡充。
●都立大学の学費を半額化し、最終的には無償化する。
●子どもの権利条例を作り、その専用担当課を設ける。子どもに関連する施策には子どもの声を反映できる仕組みをつくる。
●子どもオンブズマン制度を創設し、東京都の事業で子どもに関係するものすべてを、子どもの権利条例に基づいて、ここがチェックする。
●母子手帳の配布と同時に父子手帳を発行し、それぞれの手帳に、暴力による躾けは軽微であっても犯罪行為であり、自然権としての子どもの人権があることを明記する。
●学校や教師によるハラスメントから子どもを守るため、教育委員会から独立した「スクールハラスメント相談窓口」の設置。
●親を亡くした子どもへの精神面および経済面での支援体制を各市区町村ごとに整備し、自殺のリスクが高いと言われている遺族の支援を充実する。哀しみのどん底にいる遺児をさらに苦しめるようなことがないように経済面および精神面でサポートする。
●子どもの学ぶ権利を阻害する教員の働き方改革(変形労働時間制)をストップする。
●民主主義社会における主人公を育てる『シティズンシップ』教育の推進
●フルインクルーシブとダイバーシティの学校教育を推進する。
●児童向けに、放射能の正しい知識をもつよう実例・臨床例を正確に把握している有識者のもとで、テキストの作成と配布、学習会を開催する。
●公立学校では、子どもの個や自由を守り、「道徳」より話し合いを重視した教育を行う。
●都立大学・高校の入学願書提出時に男女別の記載を中止する。
●待機児童対策と保育の質の確保。保育士の処遇改善を。
●就学援助の所得基準の引き上げ。
●都の生物多様性地域戦略を改定し、生物多様性の保全に向けて実効性のある取り組みを行なう。
●自然に則したダムの役割をもつ木を大切にする。葉にも幹にも根にも水を貯め、肥料にもなる、広葉樹中心の植樹を推進し、熊や生き物にも優しい東京を目指す。
●都立公園や都営墓地を増設する。
●小平3・2・8号線や小金井3・4・1号線と3・4・11号線、杉並区の補助132号線など、緑やまちを壊す都市計画道路は廃止も含めて見直し、都民と共に必要性を検証する。
(補足説明)
都内には3,208kmの都市計画道路がありますが、その多くが50年以上前に決定されています。東京都は、10年ごとに「都市計画道路の整備方針(事業化計画)」を定めていますが、最新の第四次事業化計画(2016年3月)では、東京都全体での都市計画道路の完成率は約63%で、着実に整備すべきとしています。
一方、国土交通省は、2017年7月発行の「都市計画道路の見直しの手引き」で、「都市計画道路は、高度経済成長期における都市の拡大を前提に決定されたものが多く、近年の人口減少、低成長等の社会経済情勢の変化を踏まえると、都市計画決定後、長期間が経過し、その必要性に変化が生じつつある道路もある」とし、適時適切な見直しを求めました。この手引きに掲載された全国の「都市計画道路の見直し状況」によると、最も多い大阪府は、337路線455.8㎞の都市計画道路を廃止している一方、東京都は廃止した都市計画道路が2路線1.8㎞で、47都道府県のうち最も少なくなっています。
この手引きの発行を受け、東京都は2019年11月に、「東京における都市計画道路の在り方に関する基本方針」を発表しましたが、小手先の見直しに留まっています。
都市計画道路は、特定整備路線や優先整備路線を含めて必要性を再検証し、廃止も視野に入れて都民の意見を十分に反映し、抜本的に見直すことを求めます。
●補助26号線(大山中央/板橋区)をはじめとする特定整備道路計画は、来るべき時代のまちづくりに適合する視点でつくられていません。これを見直し、住民本位のまちづくりのために、エビデンスに基づく未来設計とコミュニティ維持強化を主眼とし、住民参加型の構想会議形式で見直す仕組みを作る。
●道路整備に限らず、鉄道立体化についても、地域の実情を精査し、住民の意向を重視し、50年100年後を見通した計画立案を行う。
●開発事業に伴う環境影響評価制度を都民の意見が反映されるように改善し、客観性を高める
(補足説明)
東京都は、環境影響評価条例で、大規模な開発事業などを実施する際、事業者が、あらかじめその事業が環境に与える影響を予測・評価し、その内容について、住民や関係自治体などの意見を聴くとともに専門的立場からその内容を審査することにより、事業の実施において適正な環境配慮がなされるようにするための一連の手続きを定めています。
この手続きにより、大規模な開発事業では、事業者が環境影響評価調査を実施して作成する環境影響評価書案が公表され、事業者による説明会と、都による評価書案の公示・縦覧および意見書の受け付けが行われ、「都民の意見を聞く会」も開催されます。しかし、これらの手続きで収集される都民の意見のほとんどは聞き置かれ、環境影響評価の結果に反映されないのが実情です。事業実施後に、環境影響評価の内容が正しかったのか、検証する仕組みも不十分です。
環境影響評価審議会に都民の代表を加えたり、事後の評価も審査対象とするなど、環境影響評価に都民の意見が反映され、客観性と妥当性を高める仕組みに変えることを求めます。
●脱原発を東京都の政策として掲げる。
●自治体独自のエネルギー戦略をより具体的に明確化させ、その中で脱原発や核燃サイクル放棄を進める。
●都内の放射能測定を徹底し、万が一の原発事故、放射能漏れチェックの放射能対策を行う。
●事前に安定ヨウ素剤を配布する。
●原子炉を「廃炉」にし、自然エネルギーの利用を推進する。
●都民の安心した日常を守るために横田基地に関する住民の声を政府に届ける。
●超危険な欠陥機オスプレイの住宅地上空の飛行を禁止する。
●羽田新ルートは、過密人口の都心を大型旅客機が低空で飛行する危険を回避するため、運用を中止する。
●脱焼却のゴミ政策をすすめる。
●年間15000人の命を奪う受動喫煙被害の完全防止を目指し、全国モデルとなるような、先進的対策を構築し、実施する。
●遺伝子組み換え食品、ゲノム編集食品を認めず、食の安全条例をつくる。
● 「香害」への対策を進める
(補足説明)
化学物質過敏症者にとって、香害は生存権の問題です。
現在、行政機関に被害の声は伝わり、規制や調査を求める声も伝わっていますが、「科学的根拠がない」という理由で典型的なタライ回しの状態です。しかし、 「科学的根拠」が被害の事実を隠すことは出来ません。
被害者は香害によって、通勤通学、就労、学業の機会を、さらに住居での安心も奪われています。被害者が求めるのは、
①原因の究明
②被害の調査(大規模は疫学調査 調査組織には被害者を複数名参加させること)
③周知の徹底(行政、教育、福祉関連の行政職員の教育課題とする。被害者を中心にポスターやリーフを作成する)
④被害者への支援
・住宅の確保(化学物質過敏症に対応することが最善ですが、次善の策としては団地一棟を「香害製品不可」のルールを定め、住民がフレグランス・フリー・ポリシーを遵守する
・緊急避難所(市区町村の住民会館を利用して、自宅からの一次避難に利用できるようにする)
・転居の補助(近隣との兼ね合い、住民との軋轢が起こりやすい問題のため、調整がつかないような場合の転居に対する補助)
⑤行政、病院、交通機関、学校、園などの職員にフレグランス・フリー・ポリシーを適用する。(欧米では取り入れている例がある)
⑥障害年金などの案内(喘息同様、社会的障害がある香害からの化学物質過敏症者への保障を)
*住居、避難所については、早急な手当てが必要です。
*乳幼児から就学児童が長時間過ごす園や学校においては、予防原則に徹し、手立てをとるべきです。
●生命に直結する水道事業は直営を維持する。
●バスや地下鉄など都営交通を維持する。
●東京都として、東京大空襲など戦争の記憶の掘り起し、記録化、語り部養成などの平和事業を発展させる。
●9条の平和理念を都政にいかし、平和都市宣言を制定する。
●東京都は自治体として核兵器廃絶の意思表明を行う。
●あきるの市に「五日市憲法草案資料館」(仮称)を建設できるように支援する。
●姉妹都市、友好都市との交流を推進し、市民交流支援を進める。
●ペットの放棄等をなくすため、飼い主になろうとする者には、飼い主に求められることの講習を受ける、もしくは資格を取得することを義務付ける。
●飼い主の入院や放棄で置き去りになるペットが発生した場合、地域の動物愛護団体と情報を共有して連携し、対応する体制を整える。。
●ペットショップでの生体販売を禁止し、ブリーダーの飼育状況を把握し、保護ペットの譲渡を中心とする。
●殺処分をなくすため、動物シェルターを設置する。
終わりに
私たちのもとには、これまで地域で様々な課題にとりくんできた市民団体、個人から要望や意見が寄せられました。独自の調査、専門家を招いての勉強会を重ね、専門家もメンバーとして参加し、地元自治体と交渉を重ねてきたところも多くありました。
しかし、東京都の方針だからという理由で、交渉の場さえ設定されないなど、東京都が壁になってきた実態も報告されました。 その反面、選挙では50%前後、あるいはそれを下回る投票率は市民の政治離れが問題になったまま、暮らしと政治の乖離は埋められずに来ました。
そして、新型コロナウィルスの感染拡大によって、事態は一変しました。
多くの人が国会中継と、連日行われる都知事の記者会見をみて、市民の実情が伝わっていないことに気づいたのではないでしょうか。
もう傍観者でいることはできなくなりました。
市民の声を聴く、暮らしの実態を把握し、市民とともに都政を変える都知事の実現は急務だと私たちは感じています。
「2020都民政策会議」は7月5日に行われる都知事選挙を、市民の命が守られる都政の実現、これまでの社会を根本から変える一票一揆にしたいと思っています。
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