都立病院の独立行政法人化が3月31日(医療崩壊が危惧されていた)小池知事から発表されました。都立病院職員の方から都知事選挙に向けてご意見をいただきました。
都知事選に向けての政策
新型コロナウイルス感染症への対策を抜きに都知事選の政策は語れません。現在は、本来指定されていた感染症指定病院以外もコロナウイルス感染症患者を受け入れています。コロナ感染症医療は、取り組めば取り組むだけ、病院の経営が悪化します。そこで、コロナウイルス感染症受け入れ病院が倒産の危機を回避できるような税制措置が緊急に必要です。
また今後数年は続く可能性があるコロナ感染症に対応する医療体制を構築する必要があります。都立病院の拡充ばかりでなく、都立病院から公社病院へと経営形態が変更された公社病院を都立病院へと再編・拡充する必要があります。都立・公社病院をまとめて地方独立行政法人化は、この真逆の政策です。即刻都は都・公社病院の地独法化を断念すべきです。
また医療労働者の抜本的な処遇改善(賃金ばかりでなく配置数など)が必要です。さもなければ、医療従事者の大量退職による医療崩壊が起きかねません。
日本の医療体制は、平常時でギリギリ需要を満たすように計画されています。そのため今回のような事態が起きれば、すぐにキャパオーバーになります。ギリギリのところで何とか需要を満たす計画を改め、ゆとりを持った制度設計にするべきです。グローバル化した世界では、今後も定期的に国際的な新規感染症の感染爆発が起こることが予想されます。ゆとりを持った体制を構築していく必要があります。
今回の事態は、医療ばかりでなくケア(高齢者、障碍者、子ども)の場の環境の劣悪さとケア労働の労働条件の劣悪さ。また貧困問題(ホームレス状態の人が多数いる)などの問題を明らかにしました。このような「社会的弱点」を放置したまま、感染症を克服することはできません。このような点も都知事選の政策に反映されるべきと考えます。